【理想の家作り】は「土地から」ではなく「間取りから」にすべき理由

家作りを意識し始めると、街中の

「売り地」「〇〇メーカー分譲地」

みたいな看板が気になり始めます。

もし、理想の場所で良い感じの土地を見つけてしまったら…?
運命の出会い(?)があると、つい土地購入からスタートしたくなりますよね。

マイホームが欲しい人

せっかく良い土地が見つかったなら、売れてしまう前に早めに購入しておきたい!

気持ちはとても分かります。
しかし、家作りを土地購入からスタートするのはあまりおすすめできません。

この記事では、おすすめできない理由や家作りでまず取るべき行動について解説します。

この記事の内容は、予め建設予定の土地を保有している場合には当てはまりません。
これから土地購入する方を対象にしています。

目次

家作りを間取りからスタートすべき理由は3つ

家作りを土地購入ではなく、間取り作成からスタートすべき理由は大きく以下の3つです。

  1. 土地には様々な制約がある
  2. 住宅ローン控除に含められない可能性
  3. 相談先が増やせる
ママ

それぞれ次項で詳しく解説します。

土地には様々な制約がある

土地購入を先行させると、肝心の家作りで諦めなくてはならない条件が出てくる可能性があります。

後悔している人

知ってたら別の土地を購入したのに…

なんてことにならないよう「理想の家に必要な条件を洗い出して」当てはまる土地を探す方が確実です。

全てではありませんが、最低でも考慮すべき条件は以下の通り。

建ぺい率・容積率

建ぺい率と容積率とは
「建ぺい率」とは敷地面積に対する建築面積の比率で、「容積率」とは敷地面積に対する延床面積の比率のことです。それぞれ下記の計算式で算出します。

建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積

容積率(%)=延床面積÷敷地面積

家サイト「建ぺい率と容積率」

土地はそれぞれ、建築できる面積割合が決められています。
それが建ぺい率です。

もし平屋の戸建てを検討している場合、建築面積が重要。
土地面積だけでなく建ぺい率を注意しておく必要があります。

例えば40坪の家を建てる場合、建ぺい率によって必要な土地の広さが変わってきます。

建ぺい率60%⇒ 67坪
建ぺい率50%⇒ 80坪
建ぺい率40%⇒ 100坪
建ぺい率30%⇒ 133坪

悩む人

30%って…
あまり聞かないけどどんな場所?

30%は、歴史的価値のあるエリアや田舎の土地などが該当します。
私が土地探しをしていて多いと感じたのは建ぺい率50%の土地。

ママ

防災とか景観の点からも、建ぺい率が高いほど良いってものでもないし、50%の土地が増えているらしい!

2階建て、3階建ての場合考慮すべきなのが容積率です。


 50坪、建ぺい率40%、容積率80%
  建築面積:20坪
  延床面積:40坪(2階建て可)

 50坪、建ぺい率40%、容積率120%
  建築面積:20坪
  延床面積:60坪(3階建て可)

狭い土地・建ぺい率が低い土地でも、容積率が高ければ階数を増やすことで大きな家を建てる事も可能になります。

用途地域

用途地域
 都市における住居、商業、工業といった土地利用は、似たようなものが集まっていると、それぞれにあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができます。しかし、種類の異なる土地利用が混じっていると、互いの生活環境や業務の利便が悪くなります。
 そこで、都市計画では都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」として定めています。

国土交通省 都市局 都市計画課 土地の使い方と建物の建て方のルールの話

都市計画に基づいて、作られる建物・施設を限定するのが「用途地域」の区分です。
前項で説明した建ぺい率・容積率も用途地域によってある程度傾向がつかめます。

悩む人

プロを通して土地探しすれば、とんちんかんな提案もされないし、住居に向かない土地を購入するリスクは無いんじゃ?

例えば、平屋は日当たりを二階建て以上に意識する必要があるのですが…
高層階建築可能な地域だと、後々日当たりに影響する建物が建ってしまう可能性があります。

完璧な土地探しは難しいです。
ですが、購入前に一度はチェックしてみる事をおすすめします。
↓リンクから用途地域マップに飛べます

用途地域マップ
※外部サイトにリンクします

接道義務違反・再建築不可・旗竿地
などの「訳アリ物件」

人気エリアにぽっかりと空き地がある場合「訳アリ」な物件である場合が多いです。

例えば原則幅員4m以上の道路と間口2m以上で接しなくてはならない「接道義務」に違反している場合、現在建っている建物を壊して新たな物件を建てる事はできません。

パパ

「再建築不可」物件と呼ばれてるよ

格安の中古物件を購入して建て替える
…ということができないのがこのケースです。

ママ

リフォームして住むことはできるよ

また、相場より安い「旗竿地」にも注意が必要です。

旗竿地とは、接道する出入口が狭く、その先に広い敷地がある土地を指します。
形が竿に就く旗のように見える事から「旗竿地」と呼ばれます。

相場より安い事、竿に当たる接道までの土地を駐車スペースに活用できるなどのメリットもありますが、電気・ガス・水道(上下水)などの引き込み工事費が高くなる傾向があります。

ママ

費用だけの問題ならさほど問題ないような気もするけど…

旗竿地を事前購入する事で致命的な問題になりかねないのが…
道路幅によって建築ができない可能性があるということ。

例えば…
大手メーカーの中には、建築のほとんどを工場で行い、パーツを組み合わせて建築する「ユニット工法」を売りにしている場合があります。
通常の建築よりも大きなパーツを運び込む必要があるため、相応の道幅が必要になります。

旗竿地を買ってしまった人

鉄骨メーカーにしたくてセキス〇ハイムにしたのに…
この土地では建てられないらしい

滅多に無いケースかもしれませんが、万が一にも起こってはいけません。
まずはどんな家を建てるかをはっきりさせましょう。

住宅ローン控除(減税)が受けられなくなる可能性がある

マイホームが欲しい人

気に入った土地を購入してからゆっくりメーカーを決めて建築しよう!

…と考えて、本当にのんびり家作りをしていくと、土地購入費用が住宅ローン控除(減税)の金額に算定できない可能性が出てきます。

住宅ローン減税(控除)とは?
無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。

国土交通省

住宅ローン残高の0.7%が税金免除してもらえる住宅ローン控除。

低金利で住宅ローンが組める現在は特に、住宅ローン減税をうまく利用しない手はありません!
現状、住宅ローンの金利は0.7%を下回ることが十分可能です。

語弊を恐れずに言うと、控除される13年、借入額が大きいほどちょっとだけお得になるということです

ママ

だから、戦略的に頭金を入れずにめいいっぱいローンを組む人もいたりする

1000万円の土地を購入した場合、住宅ローンに含めるかどうかでトータル91万円の差が生れます。
※1,000万円×0.7%×13年=91万

ただ土地を購入しただけでは、住宅ローンを組むことはできません。
購入した土地に住宅を建築した時点で住宅ローンに含められます。

その期限が、取得から2年以内。
十分時間があると思われがちですが、通常のスケジュールでも15ヶ月ほどかかる場合があります。

ママ

土地購入を決めたからには、そこからは本気モードで動いた方が良い

そもそも、住宅全体の予算建てをしないまま土地を購入する事自体がリスク。

パパ

一度購入してしまうと、手放しても仲介手数料は戻ってこない…
百万単位の出費になってしまうから慎重に。

相談先が増やせる(メーカー・不動産業者・相談窓口)

悩む人

不動産情報って共有されているから、どこで探しても一緒でしょ?

不動産情報は国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する「レインズ(REINS)」で公平に提供されています。
業者で独占したり囲い込むことはできない仕組みです。

では、どこで相談しても結果が変わらないか?
というと実は大きく差がでるポイントがあります。

メーカー分譲地という選択肢

実は、メーカーを通すことでしか取れない選択肢があります。
それが、メーカーの分譲地。
メーカーが既に買い上げている土地なので、REINSには掲載されません。

メーカー分譲地にはいくつかメリットが。

  • 割安
  • インフラ整備済み
  • 住みやすい
  • 仲介手数料なし

メーカーが広く買い上げた土地をインフラ込みで一気に整備するので、割安になるケースが多いです。
一帯が住宅地になるので交通量が制限されてより安全になったり、大規模分譲地であれば商業施設ができることも期待できます。

相談するメーカーの分譲地しか提案を受けられないので、メーカーとの商談で分譲地の提案もお願いしてみましょう。

営業の提案力

土地は「良し悪し」ではなく「相性」です。
つまり、希望に合う土地を見つけられるかが重要なのです。

そこで大切になるのが「営業の提案力」です。

  • 条件を一緒に精査する力
  • 希望を吸い上げる力
  • メリット・リスクを説明する力
  • どう妥協すれば満足できるのか判断する力

まず、家全体の提案をしながら、希望に合う土地の条件を見極めます。
そして条件に合う土地を探すわけですが…
ぴったり合致するのは稀です。

ママ

営業の力が試されるのはここから…!

優先すべき条件、妥協できる条件を見極められるかどうか。
些細な会話の中からも情報を汲み取れるかどうかで差が生まれると私は思います。

ママ

我が家は予算オーバーの土地にしたんだけど、予算に余裕があることを見越して他の条件が良い土地をさりげなく候補に入れた有能ぶり。

担当営業さん次第で家の満足度は大きく変わります。
信頼できる優秀な営業さんに繋げてもらうためにも、窓口相談の利用がおすすめです!

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土地から決めるべき場合は?

家作りは「間取りから」スタートするべき!

…なんですが。

それでも土地から購入するほうが良い場合もあります。

売却予定がある

いずれ売却することが決定的なら「リセールバリュー」を意識した家作りをする必要があります。

結論から言うと立地が全てです。

住み心地の良い家をこだわって建てても、技術の進んだ新しい家には敵いません。
建物自体の価値よりも、買い手のつきやすい土地に建てる事を優先しましょう。

ママ

クセの強い間取りもおすすめしません

クセがすごい中古物件が多くて結局新築した我が家…↓

「場所」に強いこだわりがある

「通わせたい学校の学区」
「通勤通学に便利」
「オシャレで便利な人気エリア」

場所に強いこだわりがある場合、人気エリアを狙う場合は土地に合わせて家作りをする心づもりが必要です。
その場合はむしろ「土地が決まらないと家作りが始まらない」とも言えます。

パパ

買う土地の制約に合わせて家作り・間取り作りがスタートするって感じだね

家作りは「間取り作り」からスタートしよう

理想的な家作りはまず「間取り」づくりから。
相談サービスやメーカー営業と理想の間取りを設計して、それが叶う土地を見つけてください。

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